にしてつバスナビ・「そこそこ使えるマニュアル」 a.今から乗るバスを調べる時の方法 まず、前提として、ボイスオーバーでの操作説明となります。そして、右から左に1本指でフリックしていき、それ以上進めない項目を最初の項目、左から右にフリックしていき、それ以上進めない項目を最後の項目と呼ぶこととします。 また、ここでの項目の名前はボイスオーバーの読み上げた音声そのものを記載しています。 1.画面左下のほうにある「調べるタブ、4の1」をタップします。「調べる」画面に移行します。 2.「top switch」と読み上げる項目の1つ前が「乗るバス停の入力」、1つ後が「降りるバス停の入力」の項目となります。 今回は乗るバス停を「博多駅筑紫口」、降りるバス停を「山王公園前」とします。 3.乗るバス停の入力の項目でタップします。「地点を選ぶ」画面に移行します。 4.最初から4番目に「地図で表示」、5番目に「リストで表示」という項目があるのですが、ここで「洗濯中のリストで表示」となっていれば問題ないですが、万が一、「洗濯中の地図で表示」と読み上げた場合は「リストで表示」の項目をタップしてください。すると「選択中のリストで表示」と読み上げます。 5.「名将で検索、ひらがな推奨」という項目があります。ここが検索フィールドとなっているので、そこでタップします。入力画面に入りますので、ここで博多駅筑紫口」と入力し、画面右下の「検索」をタップします。 6.検索結果が表示されていますので、その中から「博多駅筑紫口」を見つけてタップします。 7.最後にある「この地点を選ぶ」という項目をタップします。「調べる」画面に戻り、「乗るバス停の項目」に「博多駅筑紫口」と入力されています。 8.同じ要領で降りるバス停の名前も入力します。 9.乗るバス停の項目に「博多駅筑紫口」、降りるバス停の項目に「山王公園前」と入力されているのを確認したら、降りるバス停の項目の次に「調べる、ボタン」と読み上げる項目があるので、そこをタップします。「検索結果の一覧」画面に移行します。その次にある「調べるタブ、4の1」と間違わないようにしましょう。 10.タップすると「調べています」と読み上げ、検索結果があれば「完了」と読み上げます。画面の中央付近を触ると検索結果が表示されています。 b.日時を指定して調べる場合 今度は日時指定をして調べる方法です。先ほどの「7.」まで手順は同じです。つまり、「調べる、ボタン」を押す直前まで同じということです。そこから先を説明します。 1.「乗るバス停の入力」の項目の1つ前に「ボタン」と読み上げる項目がありますので、ここでタップします。「日時を選ぶ」画面に移行します。なぜ、項目名が書かれていないのか、実に不親切なつくりだなと感じますね。今後、この名称を変更したい時は2本指でのダブルタップフォールドを行うことで、名称を自由に変更することができます。 2.「選択中の出発」と読み上げているのを確認します。ここには「出発・到着・始発・最終」の4項目が並んでいますが、ここでは「出発」を選びます。 これは何かというと、例えば、日時を10月7日の12時40分という前提で、「出発」を選んでいる状態では10月7日の12時40分以降に『博多駅筑紫口」を出発するバス」の検索を行います。つまり、その時刻に近い者から後のものを検索します。例えば12時40分に発車するバス、12時52分に発車するバス、13時14分に発車するバスというふうに時間がどんどん遅くなります。 これに対して「到着」というのは、「10月7日の12時40分までに『山王公園前」に到着するバス」の検索を行います。この場合、12時40分を超えるものは除外されます。つまり、12時40分に近い時間の順に、前に前にとさかのぼったバスの検索が行われます。つまり、12時40分に到着するバス、12時22分に到着するバス、11時58分に到着するバスというふうに表示されます。用途に合わせて使い分けましょう。 3.「最終」という項目から次の項目に進むと、「何日」、「時」、「分」を指定できる項目があります。どれも「フリッカー項目」と読み上げています。 ここでは1本指上での下フリックだけで数字を調整できます。タップする必要はありません。むしろ、タップするとまずいので、上下フリックだけで操作してください。 ちなみに下から上にフリックすると数字が増え、上から下にフリックすると数字が減ります。 4.日時の調節が終わったら最後にある「この日時で指定する、ボタン」と読み上げる項目でタップします。「調べる」画面に戻ります。 4.「調べる、ボタン」でタップします。「検索結果の一覧」画面に移行し、検索結果の一覧が表示されています。 c.特別な条件を追加して検索する方法 また、この「にしてつバスナビ」では、「乗り換えの有無」や「普通をはずす」、「スロープ対応バス」などの条件を追加して調べることができます。 そして、これらは先ほどの「日時を選ぶ」画面から条件を追加することができます。それぞれの項目の所でオンとオフを切り替えるチェックボックスがありますので、そこでタップすると切り替えられます。 ちなみに「調べる」画面にも同じ項目があるのですが、こちらではそこでタップしたとしても、オンになっているのかオフになっているのかを読み上げないため、私たち視覚障害者には分かりません。 そのため、これらの条件を追加するなら、「日時を選ぶ」画面のチェックボックスで行うようにしましょう。 d.検索結果の一覧画面 さて、調べた結果の一覧である「検索結果の一覧」画面では、複数の結果が出ています。その1つ1つには以下の情報が出ています。 ・バス番号 ・行き先 ・料金 ・乗るバス停から降りるバス停までにかかる時間 ・バスの現在の運行状況 ・乗るバス停にバスが来る時間と乗るバス停の名前 ・降りるバス停に到着する時間と降りるバス停の名前 などです。「バスの現在の運行状況」では、例えば、「3停前」や「出発前」のような現在位置や「8分遅れ」などといった状況までお知らせしてくれます。 e.「検索結果の詳細」画面 そして、その結果の1つの所でタップすると「検索結果の詳細」という画面に移行します。通常、バスの時間を調べるだけなら、ここまで見なくてもいいです。先ほどの一覧で見るだけで十分だと思います。 では、この画面を必要とするのはどんな時かというと、以下のような場合です。 1.乗り換えを必要とする路線バスに乗る時 例えば、「乗り換えあり」で検索すると、その乗り換えるバス停の名前やバスの番号・時間なども調べてくれます。 ただ、これらの情報は先ほどの「検索結果の一覧」では全てを表示しきれないため、こちらで確認する必要があるというわけです。 2.このバスの路線における途中のバス停の名前が知りたい時 例えば、このバス、どこを通るんだっけと思ったりしたときなどには、この画面の「通過順」という項目でタップすると、このバスが通るバス停全てが順番に並んでいるので、名前や順番などを知ることができます。 3.通過順で表示させたバス停一覧において、「バスが通過したら通知を受け取る」という設定を行いたい時 さらには、この「通過順」で表示させたバス停をタップすると、以下のことができます。 ・乗る・降りるバス停に指定できる…先ほどの「調べる」画面でバス停の名前を入力したと思いますが、ここでバス停の名前が判明したら、ここから選ぶだけで、その入力の手間を省くことができます。 ・通過したら通知を受け取る…これは例えば、自分がバスに乗ろうとしているバス停の1つ前のバス停でこの操作を行っておけば、そのバスが1つ前のバス停を通過したらスマホに通知が送られます。それはつまり、「もうすぐ、お目当てのバスが来ますよ」という通知になるわけです。 また、これは別の使い方も考えられます。例えば、自分がすでにバスに乗っている時に、降りるバス停の1つ前や2つ前などでこの設定をしておけば、仮にバスの車内がうるさくてアナウンスが聞こえない時や、うっかり居眠りをしていて気づいたら現在どこを走っているか分からないような時などにも、設定したバス停を通過したら通知をくれるので、乗り過ごしを防いでくれる効果が見込めるわけです。 また、この通知を受けるために「にしてつバスナビ」を開いていないといけないこともありません。バックグラウンド上で動くので、ほかのアプリを使っている最中でもしっかり通知を送ってくれるので安心です。 そして、この通知を受け取るには、このバスを「追跡」に登録する必要があります。それはこの画面の最後にある「追跡する、ボタン」という項目をタップすればOKです。 また、追跡していない状況でこの操作を行ったとしても、追跡に登録しないとだめだよという警告が流れて、そこからでも追跡登録は行えます。 また、この「通過したら通知を受け取る」という設定は、その追跡に登録した路線の中に限れば、複数のバス停に設定可能です。まあ、複数設定するメリットというのは正直分からないのですが…。 なお、同時に複数路線を追跡するということはできません。例えば、15時発の40番というバスを追跡している状態で、15時20分発の40番のバスは追跡できないということです。もちろん、他のバス番号でも同じです。すでに追跡中のバスがある時に新たなバスを追跡に設定しようとすると、警告のアナウンスが流れます。新たなバスを追跡したい時は、そこで「上書きする」を選べば、新たな路線を追跡に設定することができます。 4.「いつもの」タブへ登録したい時 例えば、通勤や通学など、「いつも使う路線」などにおいて、先ほどのような「乗るバス停や降りるバス停の入力」をいちいち行うのは面倒です。そのため、自分が調べた路線を「いつもの」タブに登録すると、乗り降りのバス停の名前が入力し終えた状態で保存されます。それを行うのが、この画面の最後から2番目にある「いつもの登録」のです。 その登録が終われば、次に調べる時はかなり楽です。その方法は、 1.「いつもの」タブでタップ。「いつもの」画面に移行します。 2.その中の「自分が乗りたい路線」の項目でタップします。 これだけで、今すぐの時間からの検索結果が表示されます。 もし、今すぐのバスではなく日時指定して調べたい場合はその検索結果一覧の画面に「今すぐ、ボタン」と読み上げる項目があるので、そこをタップします。すると、日時の選択画面に切り替わりますので、先ほどの例と同じように日時の調節をして調べることができます。 でも、それなら「今すぐ」という名前ではなく「日時の調整」としたほうが分かりやすいと思うのは私だけでしょうか?「今すぐ」と書かれていたら「今すぐ」のバスを調べるものだと思ってしまいますが、どうですかね?まあ、先ほどの「ボタン」よりはマシだとは思いますが…。 f.住所や建物名を入力して最寄りのバス停を探す方法 ここまで説明した内容だけでも普段の生活で使う分には十分だと思いますが、ここからは「こんなこともできるよ」という内容を2つ説明します。 まず1つ目が、『住所や建物名で最寄りのバス停を探す」というものです。 例えば、どこかの施設やお店などに行きたいと思った時に、「ここに行くには、何というバス停で降りればいいのだろう?」と思うことがあると思います。そんな時に、行きたい所の名前や住所などを入力すれば、最寄りのバス停を表示してくれるというものです。 試しに、ここでは「現在、自分がいる所」から「住吉神社」に行くという設定で探すことにします。その手順は以下です。 1.「調べるタブ」をタップして「乗るバス停を入力」の項目でタップします。「地点を選ぶ」画面に移行します。 2.「地図で表示」の項目でタップします。「選択中の、地図で表示」と読み上げます。 3.その2つ先に「住所・名称で検索、検索フィールド」という項目があるので、調べたい建物や住所などを入力します。 しかし今回は「自分が現在いる所」なので、ここはスルーして最後の項目「現在地を指定」でタップします。すると、「あなたの現在地を選びますか?」と尋ねられるので、「はい、ボタン」をタップします。「調べる」画面に戻り、乗るバス停の項目の所に「あなたの現在地」と入力されています。 4.降りるバス停を設定します。降りるバス停の項目をタップします。「地点を選ぶ」画面に移行します。 5.「地図を表示」が選択されているのを確認します。なっていなければ、「地図を表示」の項目でタップします。「選択中の、地図で表示」と読み上げます。 6.「住所・名称で検索」の項目でタップしてテキストフィールド内に入り、「住吉神社」と入力して「検索」をタップします。 7.検索結果が出ますので、その中から「住吉神社」をタップします。 8.最後の項目の「この地点を選ぶ」でタップします。「調べる」画面に戻り、降りるバス停の項目に「住吉神社」と入力されています。 9.「調べる、ボタン」でタップします。自分のいる所から最も近いバス停から「住吉神社」に一番近いバス停の「住吉」までの検索結果が表示されます。 g.西鉄電車も調べられる?? 最後は、「にしてつバスナビ」なのに電車の時刻も調べられるという裏技です。 しかも、これの何が便利かと言うと、電車とバスの複合ルートや「普通をはずす」の項目から「急行電車」や「特急電車に絞って調べることができる点です。 では試しに、現在、中央区の「六本松」にいて、「大橋駅」まで行きたいという設定で進めます。 1.「調べるタブ」をタップ。「調べる」画面に行こうします。 2.乗るバス停の項目をタップ。「「地点を選ぶ」画面に移行します。 3.「地図を表示」をタップ。「選択中の、地図で表示」と読み上げます。 4.「住所・名称で検索」の項目でタップ。テキストフィールドに入るので、「六本松」と入力して検索します。 5.候補がいくつか出てくるので、今回は「六本松駅・福岡地下鉄七隈線」をタップします。 6.最後の項目「この地点を選ぶ」でタップします。「調べる」画面に戻り、乗るバス停の項目に「六本松、福岡地下鉄七隈線」と入力されています。 7.降りるバス停の項目をタップします。「地点を選ぶ」画面に移行します。 8.「選択中の、地図で表示」と読み上げるのを確認します。もし「選択中の」となっていなければタップします。 9.「住所・名称で検索」の項目でタップして検索フィールドに入り、「大橋駅」と入力して検索します。 10.候補がいくつか出てくるので、今回は「大橋駅、西鉄天神大牟田線」でタップします。 11.最後の項目「この地点を選ぶ」でタップします。「調べる」画面に戻り、降りるバス停の項目に「大橋駅、西鉄天神大牟田線」と入力されています。 12.「調べる、ボタン」と読み上げる項目でタップします。検索結果の一覧が表示されます。 その検索結果を見てみると、ほとんどが役員までバスで言って、そこから西鉄電車で大橋駅までというルートです。 「大橋駅」とは書いている者の範囲を広く取るので、たまに渡辺通りまでバスで生き、さらにバスで大橋駅そばの「南区役所までバス」というへんてこなルートもたまに出ます。 そして完全にバスで行きたいと思うなら、バス停名を入力する方法が確実です。ちなみに大橋駅のバス停名は「西鉄大橋駅」です。まぎらわしいですね。 電車ルートは「西鉄」をつけずに駅名だけで入力すると、大体うまくいきます。 ちなみに、この時に「普通をはずす」の項目をオンにしていると、電車も急行電車か特急電車しか表示されないようになります。使い分けたら便利ですね。 そして、特筆するべきなのは「六本松、福岡地下鉄七隈線」と候補が出て、おまけにそれを指定しているにもかかわらず、ルートに地下鉄が入らないことです。 例えば、地下鉄で天神南まで言ってそこからバスということもできそう、むしろ、出発点が地下鉄としているのだから、これが一番早そうなのに、絶対に西鉄電車と西鉄バスで片付けるというシステムです。さすが「にしてつ」のアプリですね。 なお、「地点を選ぶ」画面において、通常だと「地図で表示」ではなく、「リストで表示」が選択されている、つまり「バス停の名前を入力する」というのが基本設定となっています。ここで「リスト」か「地図」のどちらを選択しているかによって、検索フィールドの項目も「名将で検索、ひらがな推奨」か「住所・名称で検索」に連動して変化していますので、違いに注意しましょう。 h.まとめ とりあえず、ここまでできれば、「にしてつバスナビ」を使ううえでは特に不便はないかと思います。たぶん、全部できなくてもそうそう困ることもないと思います。 ただ、「自分にとっていかに便利に使うか」というのは皆さんでいろいろと研究してほしいなと思っています。 使っているうちに、「もっと、こういうことができたらいいのに」とか「これは分かりにくいよね」という要望なども出てくるかと思います。 そういった声を開発元に届けることができれば、アプリも今以上のものにアップデートされるでしょう。そのためには、やはり一人でも多くの方に触ってもらって興味を持ってもらわなければ、問題そのものが出てこないと思っています。 そのため、これからもどんどん使っていただいて、私たちに逆に教えていただけるほどに使いこなしていただければ、私たちもうれしいです。 今後とも、「ノー・リミット」をよろしくお願いいたします!! (著作権) 視覚障害者 情報共有・実践スペース「ノー・リミット」代表・出村翼 2023年10月9日作成。