「ノー・リミット」第5回月例会のご報告(議事録)
令和5年8月27日に行われた「ノー・リミット」第5回月例会の内容を議事録にしました。
そして今回は「にしてつバスナビ」の操作ということで、各操作について説明を加えて書きます。
はっきり言って本当に長いですので、お時間のある時にごゆっくりお読みいただければうれしいです。
「ノー・リミット」第5回月例会のご報告
- 日時:令和5年8月27日10:00~15:00
- 場所:チームハーネス作業所
- 参加者:中村副代表、TN、SG、FK、OK、NY、松尾さん、出村の計8名。ガイドヘルパーさんが2名。
- プログラム
- 参加者挨拶
- 初心者から上級者まで!「にしてつバスナビ」大研究!
~「にしてつバスナビ」をマスターして、外出をもっと便利にしよう!~ - 冷麺ランチ&座談会
実施内容
参加者挨拶
今回は告知に結構ゆとりがあったせいか、3名の新規の視覚障害者の方から参加のお申し込みがありました。
1名の方は残念ながらガイドヘルパーさんの手配がうまくいかずに不参加となりましたが、残り2名の方には無事、ご参加いただきました。
そして、そのうちの1名がなんと西鉄バスの関連会社である西鉄情報システム株式会社のヘルスキーパーをされている松尾さんという方でした。
そこで、今回の参加者から西鉄バスや「にしてつバスナビ」アプリについて要望や意見などがあれば聞かせてほしい、上司にも報告したいとおっしゃっていただきました。
さらには社内の壁新聞にも載せるとのことでしたので、写真も顔出しNGとしてですが、撮影していただきました。
正直、私は顔出しでもいいのですが、皆さん、シャイですね。
もう1名もヘルスキーパーの方でした。奇遇ですね。松尾さんともお知り合いのようでした。
そんなこんなで自己紹介を終えて、いざアプリの説明へと移ります。
初心者から上級者まで!「にしてつバスナビ」大研究!
~「にしてつバスナビ」をマスターして、外出をもっと便利にしよう!~
驚異のiPhone使用率
さて、自己紹介も終わり、いよいよ「にしてつバスナビ」アプリの操作の説明に入ります。なお、ここからは「にしてつバスナビ」アプリと書くと長いので「バスナビ」と表記します。
そして今回、お話をしてくれるのは「バスナビ」に詳しい中村副代表です。もともとは、私が大して知らなかった機能を中村副代表が知っていたから、
「みんなも、あんまり知らないんじゃないの? 」というところから今回の企画となったわけです。
それで中村副代表がもともと知っていたことに加え、もっといろいろな使い方ができるのではないかということから中村副代表がさらに調べてきた内容を伝授するというのが今日の流れです。
ただ、それにも問題が一つありました。それは中村副代表がアンドロイドユーザーだということです。
そもそも、視覚障害者に関してはiPhoneを使用している方が多いと以前から聞いていました。
そこで、事前に中村副代表から、「こんなことをするけど、iPhoneではできるか」というのを私も試していました。これで、参加者がiPhoneでもアンドロイドでも、どちらでも教えることができます。
そして、実際に今回の参加者が使っているスマホは、どのような割合だったかというと、なんと、中村副代表以外の全員がiPhoneだったのです。
恐ろしいシェア率ですね…これにはさすがに私たちも苦笑いです。
そのため、中村副代表が話した内容を私が「iPhoneでは、こうする」という説明で追いかけることになりました。
そして、ここからの操作説明も当然、iPhoneの場合として説明します。
アンドロイドの方はごめんなさい。
4つのタブグループ
さて、いよいよ説明です。
まずはアプリを起動します。すると画面左下のほうに4つのタブがあります。
その4つのタブとは、
- 調べるタブ、4の1
- いつものタブ、4の2
- 追跡タブ、4の3
- お知らせタブ、4の4
調べるタブ
その「調べるタブ、4の1」と読み上げた所でダブルタップ(ボイスオーバー仕様における決定)すると、画面が「調べるタブ」画面に変わります。
便宜上、1本指で右から左に払って、それ以上進めないところを最初の項目(画面の位置とすれば上あたり)、その逆で1本指で左から右に払ってそれ以上進めない項目を最後の項目(画面で言えば下あたり)とします。
その前提において、この調べるタブには以下の項目があります。また、ここではボイスオーバーでの読み上げの内容どおりに書きます。
- 履歴、ボタン
- 調べる、見出し
- 乗り換えあり、ボタン
- 普通をはずす、ボタン
- スロープ、ボタン
- ボタン
- (乗るバス停の名前)、ボタン
- TOP SWITCH、ボタン
- (降りるバス停の名前)、ボタン
- 調べる、ボタン
- タブバー、選択中の調べるタブ、4の1
- いつものタブ、4の2
- 追跡タブ、4の3
- お知らせタブ、4の4
となっています。これらの項目の内容を説明します。
履歴…今まで調べた検索ルートを見ることができます。過去、新しいものから20件までを見ることができます。
乗り換えあり…ここでは乗り換えも検索に含めるかの切り替えを行うことができます。しかし、これが実際に含めているのか含められていないのか、オンとオフでの切り替えになるわけですが、この画面ではどうなったのかを音声で読み上げてくれません。そのため、ここの画面からは操作はしません。
普通をはずす…バスには普通のバス以外に「直行」とか「快速」とか「急行」などのバスもあります。ここでは普通以外のバスに絞るかの切り替えを行うことができます。しかし、先ほどの「乗り換えあり」の項目と同じように、オンなのかオフなのかを確認することができないため、こちらでは操作しません。
スロープ…バスの乗車口にスロープ対応できるバスか、そうでないバスかを検索することができます。ただ、こちらも先ほどの項目と同じようにどうなっているかが判明しないため、やはりここでは操作しません。
ボタン…一体、何のボタンなのかというと、日時の調整を行う画面に移行するボタンなのです。例えば、現在は8月10日の午前10時だけど、今日の午後4時台のバスを調べたいとか、8月15日の午前9時30分以降のバスを調べたいといった時にこちらから時間の調整を行うことができます。西鉄バスでは平日ダイヤ、土曜日ダイヤ、日祝日ダイヤというふうに分かれているため、現在は平日だけど土曜日のダイヤはどうなっているかという時に使ったりします。
(乗るバス停の名前)・(降りるバス停の名前)…ここをタップするとバス停の名前を入力・:検索する画面に移行します。バス停の名前が分かっている場合はバス停の名前を入力して検索すればいいですが、バス停の名前が分からない時は、住所や最寄りの施設や建物の名前を入力すると、その最寄りのバス停を検索することができます。
TOP SWITCH…これは何かというと、乗るバス停と降りるバス停を入れ替えるボタンです。例えば、乗るバス停を博多駅、降りるバス停を天神と設定している時、このボタンを押すと、乗るバス停の所が天神、降りるバス停の所が博多駅にチェンジします。つまり、最初に行きのバスを検索した後に、帰りのバスを検索するといった時に使うと便利です。
ただ、じゃあそれなら「乗るバス停と降りるバス停を入れ替え」とか書けば分かりやすいのに、なぜそれが「TOP SWITCH」になったのかが謎です。正直、私も今回の企画まで知りませんでした。
地点を選ぶ」画面の項目
そして、乗る・降りるバス停の名前を入力する項目でタップすると移行する「地点を選ぶ」画面について、先に項目を説明しておきます。
- 閉じる、ボタン」…この「地点を選ぶ」画面が閉じて、先ほどの「調べる」画面に戻ります。
- 「地点を選ぶ、見出し」…この画面のことを言っています。
- 「ボタン」…実は、ここを押すと「QRコードを読み取る」画面に移ります。実は、バス停にはQRコードがついているので、晴眼者の方はいちいち、ここで文字入力しなくても、現在自分が立っているバス停のQRコードを読み取らせれば、乗るバス停の欄が入力できるわけです。楽ですね。ただ、私たち視覚障害者にはちょっと難しい話なので、参考程度に聞いておいてください。 そしてこれも、ただ「ボタン」と読み上げられても分からないですよね~。いや、項目名をなぜ書かないのか、本当に意味不明だなと思います。
- 地図で表示、ボタン、2の1」…実は自分が立っている付近の地図を表示することができ、その地図に表示してあるバス停や施設や建物などをタップすることで乗るバス停を入力することができます。
これだけでは、やはり視覚障害者に無縁な項目かと思われるかもしれませんが、実はこの項目を選択していると、バス停の名前を入力しなくても、番地や建物・施設名を入力することで、最寄りのバス停を検索することができます。つまり、自分がバス停ではない所にいて、なんとなくの街の名前や番地なら分かるという時に、ここの項目を選択しておくと、最寄りのバス停の候補を出すことができるというものです。
ただ、私個人的に思うのは、実際にその方法で最寄りのバス停を検索できたとしても、そのバス停にどうやって実際に移動すればいいのかと思ってしまいますね。だから、やはり視覚障害者はあんまり使えないような気はしています。
まあ、どこかの施設に行きたいと思った時に最寄りのバス停を調べたいといった時などには便利かもしれませんね。
ちなみに、これを選択していると、2つ先の検索フィールドの項目の名前が「住所・名称で検索、検索フィールド」と読み上げます。 - 「リストで表示、2の2」…ここを選択していると、1つ先の検索フィールドが「名称で検索、ひらがな推奨」となります。これを選択している時は、「バス停の名前」で検索します。ただ、全てを分かっていなければいけないということはありません。例えば、「てんじん」と入力すれば、「てんじん」がついたバス停全てを検索で引っ張ってきます。だから、逆にしっかりとバス停が分かっているならすべてを入力すれば余計な候補を表示させなくて楽です。
- 「地図上で指定、ボタン」…言葉のとおり、地図を見ながらその場所をタップすれば、そのバス停が入力できるというものです。ちょっと、視覚障害者には無縁の項目かなと思います。
- 現在地を指定、ボタン」…言葉のとおり、自分が現在いる所の最寄りのバス停を候補として検索します。ただ、先ほども述べたように、最寄りのバス停の名前が分かったからといって、そこにどうやって移動するのか?もちろん、道案内アプリなどを使える人は有益かもしれませんね。
代替、この2つの画面の構成と内容を知っておけば、あとはなんとかなります。ほかの画面については全てを知っていなくても影響はないので、画面の項目についての説明はここまでとします。 これからは、いよいよパターン別に調べ方を書いていきます。
と思ったのですが、この時点でかなり長くなってしまいましたので、その手法についてはテキストファイルでまとめたものをダウンロードできるようにしました。ぜひダウンロードして見てみてください。
にしてつバスナビ・「そこそこ使えるマニュアル」←ここからテキストファイルをダウンロードできます!
冷麺ランチ&座談会
宣伝です!
操作説明を終えていよいよランチです!大橋駅までバスで移動するので、さっそく皆さんにバスナビを使ってバスを調べていただきました。少し慣れてきているようでうれしいですね。
大橋駅に着いて点字ブロックを歩いて、少し外れた所にあるのが
「チャイニーズキッチン CHINA大橋店」です。
私が「なんとなくいいな」でメニューを見たら冷麺が3種類あって、おまけにそのうちの1つが「グリーンカレーの冷やし麺」という、カレー好きな私のためにあるお店だと勝手に革新して決めました。
ほかのメニューもいろいろとおいしいのでしょうが、今回は冷麺とデザートに絞らせてもらいました。主に冷麺が、
- 冷麺
- グリーンカレーの冷やし麺
- 汁なし黒ゴマ担々麺
そしてデザートが、
- ごま団子
- 杏仁豆腐
- バナナ春巻き
となっています。大森はありません。冷麺が全て870円で、杏仁豆腐が450円、残りのデザートが580円でした。
あとは3種類のセットがプラス330円でした。ちなみに私ともう1人の男の子はデザートを2種類頼みました。全部いっちゃおうかなと思いましたが、糖尿病患者なので、しぶしぶ2つにしてあげました。
それぞれの方が頼み、食べて、みんなおいしいと言ってくれたので私も満足です。実は、私は3日前にも下見で訪れていて、その時もちゃんとグリーンカレーの冷やし麺とバナナ春巻きを食べているのでした。
絶対、この2つは食べてほしいですね!おすすめです!以上、宣伝でございました!
みんなの要望をよろしくお願いします
ランチも食べ終わり、みんなの要望を松尾さんに1人ずつ伝えてもらいました。その内容を以下に記載します。
- 多くのバスが停まるバス停において、自分が乗るバスが分かりづらいので、アナウンスを大きくしてほしい。
- なお、せっかくアナウンスが聞こえそうなのに運転手さんがボソボソ言ってどちらも聞こえなくなることが多いので、しゃべるならはっきりしゃべってほしい。
- それよりも、自分が乗りたいバスをスマホでアプリに登録しておいて、そのバスが目の前に来たら音が出るなどの開発を期待している
- 横座りのバスが苦手なので、バスナビで横座りのバスかどうかを検索できるようにしてほしい。
- Wi-Fi対応のバスかどうかも検索できるようにしてほしい。そして、できることなら全台導入をしてほしい。
- 降りる時にのモカタッチで場所が分からずにいると、「こっちです」と言われるが、「こっち」じゃ分からないことを運転手さんに教えていただきたい
- 乗車した時に立っていると、運転手さんが「どなたか咳を譲っていただけませんか」と言ってくださるが、こちらとしては気まずいので、できればそれは言わなくていい。席が空いている時に案内をしてくれるだけでいい。空いていなかったらそのままでいい。
- 定期券だから、本来は何もしないでただタッチするだけでいいのに、こちらが白杖を持っていることから障害者割引をするんだなと先読みをしてピッぴっぴと何やら操作をして、その結果、料金が引かれてしまうということが結構あるが、その操作をしたら定期券でも料金が引かれてしまうということを知らない運転手さんが結構いるんじゃないだろうか?運転手さんへの周知を徹底してほしい。
- バスターミナルのように、何番乗り場か分かりづらいような所では、例えば自動ドアのある部分を触ると「何番乗り場です」と答えてくれるようなシステムができないだろうか?
- バスじゃないけど、西鉄電車のほうもホームドアをつけてほしい
現実的なことから夢のようなことまで、いろいろな意見や要望や苦言などもたくさん出てきました。
なお、この要望は松尾さんが社に持ち帰り、社内に情報共有をしてくれるそうですので、私たちも期待して待ちましょう。松尾さん、どうぞよろしくお願いします。
それでも運転手さんをはじめ、このバスナビにしても、本当に私たち視覚障害者は多くのことで助けられており、こうして外出もかなりしやすい状況となっているのは間違いありません。それはやはり、これまでの視覚障害者があきらめずに声を挙げてくださったおかげで、さまざまなことが改善されて今に至っていると思います。
そのため、ただのクレームなどではなく、私たち視覚障害者がどのようにすればもっと便利に外出しやすくなるのか、一人一人が常に向上心を持つことが、やがて自分の快適な外出の環境として返ってくるのかなと思いました。
だからこそ、この「ノー・リミット」も、そんな向上心の塊のような人たちが集まる団体にしていきたいなと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします。
今回は以上となります。今回もありがとうございました!